第35回国立劇場文楽賞の表彰式が2日、大阪市中央区の国立文楽劇場であり、愛媛県松山市出身で人形浄瑠璃文楽太夫の人間国宝、豊竹嶋太夫さん(84)=本名・村上五郎=に特別賞が贈られた。
 同文楽賞は、東京・大阪での年間公演を通じて、優れた業績を挙げた演者に授与される。特別賞は文楽の普及と発展に多大な貢献をした人が対象。嶋太夫さんにとっては2001年度の大賞以来の受賞となった。
 表彰式で、2月の東京公演を最後に引退した嶋太夫さんが舞台に登場すると、観客らが大きな拍手で迎えた。日本芸術文化振興会の茂木七左衞門理事長は「長年にわたり文楽の発展に大変貢献してもらった。引退はさみしい限りだが、後進の指導に力を入れていただく。大いに期待している」と話した。